シワ・たるみ・くすみ…50代の肌に必要なケアと美容成分を解説

シワ・たるみ・くすみ…50代の肌に必要なケアと美容成分を解説

「なんだか最近、肌が前と違う気がする」
ふと鏡を見たときに、そんな風に感じたことはありませんか?50代に入ると、シワやシミ、くすみ、たるみなど、これまで気にならなかった変化が少しずつ現れてくるものです。若い頃のスキンケアではカバーしきれない悩みも増えてくる時期かもしれません。

しかし、年齢を重ねた肌には、それに合ったお手入れがあります。大切なのは、今の自分の肌状態をきちんと知って、無理なく、やさしくケアを続けること。そうすることで、年齢にとらわれず、自分らしい美しさはきっと守っていけます。

この記事では、50代の女性に多い肌悩みとその原因や、毎日のケアでできる対策や、年齢肌にうれしい美容成分などをわかりやすくご紹介します。肌と丁寧に向き合いたいあなたのための、実践的なヒントをお届けします。

50代によくある肌悩みとその原因

50代になると、年齢とともに肌のうるおいが減り、ハリや透明感が失われやすくなります。シワ・たるみ・シミ・くすみなどの複合的な悩みが増え、「老け見え」につながることも。ホルモンバランスの変化や紫外線、生活習慣の積み重ねも、肌に影響を与える大きな要因です。

シワ・ほうれい線

50代になると特に目立ちやすくなるのが、目もとや口もとにできるシワや、口元から頬にかけて深く刻まれるほうれい線です。こうした変化は、肌のうるおい不足や加齢による弾力の低下が主な原因。年齢を重ねることで、肌内部のコラーゲンやエラスチンといったハリを保つ成分が減少し、皮膚を支える力が弱まってしまうのです。

紫外線によるダメージの蓄積もシワを深くする要因です。紫外線は肌の真皮層にまで届き、弾力のもととなる繊維を破壊してしまうため、肌がたるみやすくなり、シワがより目立つようになります。乾燥も見逃せません。水分が不足すると、肌の表面がこわばり、小さなシワができやすくなります。表情のクセや長年の生活習慣、頬の筋力低下も関係しています。無意識のうちに同じ表情を繰り返していると、表情じわが固定化され、深いほうれい線へとつながっていくのです。

大切なのは、早めにケアを始めること。保湿やUV対策を基本に、表情筋を意識的に使う習慣を取り入れたり、マッサージで血行を促したりすることで、進行を緩やかにし、見た目の印象を和らげることができます。

シミ・くすみ

肌全体が暗く見えたり、以前よりも顔色がさえないと感じたりしたことはありませんか?これは、メラニンの蓄積や血行不良など、さまざまな要因が絡み合って起きる変化です。

シミの多くは紫外線による影響が大きく、長年浴びてきた日差しが少しずつ蓄積し、年齢を重ねることで表面に現れてきます。特に顔の高い位置や、若いころに無防備に日焼けしていた部分にできやすい傾向があります。また、ホルモンバランスの変化やストレス、摩擦などもメラニン生成を促進する原因になり得ます。

くすみについては、肌のターンオーバーの乱れや血行の悪さが関係しています。古い角質が肌表面に残っていると、透明感が失われ、どんよりとした印象になりがちです。加齢によって代謝が落ちると、肌の明るさやなめらかさが感じにくくなるのもこの時期によくみられます。

シミやくすみのケアには、日焼け止めの習慣や美白成分を取り入れたスキンケアが有効です。血行促進や肌の代謝を整える生活習慣の見直しも、美しい肌を保つためには欠かせません。あきらめずにケアを続けることが、肌の明るさをゆっくりと取り戻すためのポイントです。

乾燥

乾燥はあらゆる肌トラブルの入り口ともいえる存在です。うるおいが不足すると、肌表面はかたくなり、細かなシワが目立ちやすくなるだけでなく、かさつき・ごわつき・化粧ノリの悪さといった不快な症状も引き起こしやすくなります。

この時期に乾燥が加速する背景には、加齢に伴う皮脂やセラミドなどの「天然の保湿因子」の減少が関係しています。若い頃は皮脂が過剰に分泌されることもありましたが、50代になると分泌量がぐっと減り、肌のバリア機能が低下しがちに。そのため、水分が蒸発しやすく、外部刺激にも敏感な状態が続きやすくなるのです。

季節の変化や空調による乾燥、洗顔料の洗浄力が強すぎるといった生活習慣も、肌の乾燥を深刻化させる原因となります。加えて、睡眠不足やストレスが肌のターンオーバーを乱し、うるおいを保ちにくい肌環境をつくってしまうこともあります。

乾燥を防ぐためには、保湿ケアを「たっぷり・丁寧に・重ねて」行うことが基本です。化粧水だけで終わらせず、乳液やクリームでしっかりふたをする習慣をつけることが大切。さらに、肌にやさしい洗顔や加湿、インナーケアも意識して、肌のうるおいを守ってあげましょう。

たるみ・ハリのなさ

50代になると、多くの女性が気づき始めるのが「顔全体のぼやけた印象」。フェイスラインがゆるみ、頬や口元が下がったように見えるたるみは、年齢を重ねた肌の大きな変化のひとつです。加えて、肌に触れたときにピンとした弾力を感じにくくなるハリ不足も同時に起こりやすくなります。

この変化の背景には、肌の土台を支えるコラーゲンやエラスチンの減少があります。これらの成分は、肌の弾力を保つ役割を担っていますが、年齢とともに生産力が低下し、構造そのものがゆるんでしまうのです。その結果、皮膚が重力に逆らえなくなり、たるみが目立ってしまいます。

表情筋の衰えや姿勢の崩れも、たるみの原因に。とくにマスク生活などで顔の筋肉をあまり使わない日常が続くと、筋力が弱まり、肌を支える力がどんどん失われてしまいます。紫外線による真皮層へのダメージもハリの低下を加速させる一因のため、注意しましょう。

対策としては、表情筋を意識して動かすエクササイズや、リフトアップを意識したマッサージ、コラーゲンをサポートするスキンケアの取り入れがおすすめです。肌に必要な栄養と刺激をしっかり届けることで、ふっくらとしたハリ感を少しずつ取り戻すことができます。

50代の肌悩みを予防する方法

加齢による変化は避けられないものですが、肌悩みを深刻化させないための「予防」は可能です。日々のスキンケアに加え、表情筋を意識的に使う、紫外線から守る、ターンオーバーを整えるなど、内外からのアプローチを意識することで、肌の印象は大きく変わります。ここでは、今すぐ取り入れられる具体的なケア方法をご紹介します。

表情筋を鍛える

年齢とともに肌のたるみが気になってきたら、スキンケアだけでなく表情筋にも注目してみましょう。顔には大小さまざまな筋肉があり、日常的にしっかり使われていないと、筋力が低下して肌を支える力が弱まり、フェイスラインや頬が下がりやすくなります。特に50代になると、マスク生活や無表情で過ごす時間の増加によって、表情筋の衰えが加速しがちです。

表情筋を鍛える方法は、毎日の習慣に取り入れやすいものばかり。たとえば、口を大きく「い・う・え・お・あ」の順にしっかり動かすだけでも、口元や頬の筋肉に刺激を与えることができます。ほうれい線の予防や口角のリフトアップにも効果的です。

舌回し運動もおすすめです。口を閉じたまま、舌先で歯ぐきの内側をなぞるようにぐるぐると円を描くことで、顔の内側から筋肉を鍛えられます。1日1〜2回を目安に、左右それぞれゆっくり行いましょう。表情筋のトレーニングは継続することが大切です。無理なくできるものを毎日の習慣に取り入れることで、たるみやハリ不足の改善に役立つだけでなく、明るい表情づくりにもつながります。

保湿をする

若い頃と同じケアを続けていても「なんだか乾く」「夕方にはパサつく」と感じるようになるのは、肌の内側にある保湿成分(セラミド・ヒアルロン酸・天然保湿因子など)が減少しているためです。乾燥が進むと、シワやたるみ、くすみなど他の悩みも現れやすくなるため、保湿ケアは50代のスキンケアにおいて最優先すべきポイントといえるでしょう。

大切なのは、「水分を与えるだけでなく、きちんと閉じ込める」こと。化粧水で肌にうるおいを届けたあとは、必ず乳液やクリームでふたをすることで、うるおいが逃げるのを防ぎます。特に目元や口元など乾燥しやすいパーツには、部分用の保湿アイテムをプラスするのもおすすめです。

洗顔やクレンジング時の摩擦も、乾燥の原因になります。強くこすらず、やさしく泡で包み込むように洗う習慣を意識しましょう。肌への触れ方ひとつで、バリア機能の回復がスムーズになります。毎日の丁寧な保湿こそが、肌にハリややわらかさを取り戻すカギです。シンプルだけど欠かせない保湿を、朝晩のルーティンにしっかり組み込みましょう。

紫外線対策をする

50代の肌悩みを防ぐうえで、忘れてはいけないのが「紫外線対策」です。シミやくすみ、乾燥、たるみなど、年齢とともに気になる肌の変化の多くは、紫外線のダメージが蓄積されて現れてくるもの。特に真皮層にまで届くUV-Aは、肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンを破壊し、たるみや深いシワの原因になります。

紫外線は夏だけでなく、春や秋、曇りの日、室内にいても窓越しに降り注ぎます。そのため「今日は日差しが強くないから大丈夫」と思わず、毎日コツコツと日焼け止めを塗る習慣がとても大切です。SPFやPAの数値だけでなく、使用感や肌へのやさしさを重視して、自分に合ったアイテムを選びましょう。

日焼け止めは朝塗ったままで終わらせず、汗や皮脂、マスクの摩擦などで落ちやすいため、日中もこまめに塗り直すことが理想です。顔だけでなく首や手の甲など、年齢が出やすい部位も忘れずにケアするのがポイント。帽子や日傘、UVカットの衣類などを併用するのも効果的です。紫外線対策は、今日の肌だけでなく、これからの肌を守る積み重ね。未来の自分の肌のために、毎日続けたい習慣です。

ターンオーバーを正常化させる

肌が生まれ変わる仕組みであるターンオーバーは、若々しい肌を保つうえで欠かせない働きです。ターンオーバーとは、肌の奥で新しい細胞が作られ、表面に押し出されて古い角質が自然にはがれていくサイクルのこと。この流れが整っていると、肌はなめらかで明るく、トラブルが起きにくい状態を保つことができます。

しかし、50代になると代謝が落ち、このサイクルが乱れやすくなります。古い角質が肌表面に残ったままだと、くすみやごわつき、乾燥、小ジワの原因になりやすく、スキンケアの浸透も悪くなってしまいます。また、ターンオーバーが早すぎても未熟な細胞が表面に出てしまい、敏感肌や赤みなどのトラブルにつながることもあります。

ターンオーバーを整えるには、まずは十分な睡眠とバランスの取れた食事が基本です。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、細胞の修復と再生が促されます。ビタミンB群やビタミンA、たんぱく質なども肌の再生をサポートする栄養素です。肌にやさしい洗顔や保湿で角質を無理に剥がさないこと、週1回程度のマイルドな角質ケアを取り入れることも効果的です。外からも中からも整えて、肌本来のリズムを取り戻していきましょう。

エイジングケア化粧品を使用する

50代の肌には、加齢による変化にしっかりと対応したエイジングケア化粧品を取り入れることが大切です。エイジングケアとは、年齢とともに気になってくる肌悩みにアプローチする成分を配合したスキンケアのこと。肌のうるおいを守るだけでなく、ハリや透明感を引き出す力も備えています。

年齢を重ねた肌は、外的刺激や乾燥に対するバリア機能が弱くなっているため、単に“高機能”であればよいというわけではありません。やさしくなじみ、毎日続けやすい使用感であることも大切なポイントです。特に、コラーゲン・ヒアルロン酸・セラミド・レチノール・ナイアシンアミドなどの成分は、年齢肌に多角的に働きかけるものとして注目されています。

1つのアイテムで複数の効果が期待できるオールインワンタイプや、集中ケアに使える美容液など、ライフスタイルに合わせた選び方をすると、無理なく続けられます。高価なものにこだわる必要はなく、自分の肌に合うこと、続けられることが一番の基準です。肌の状態は毎日少しずつ変わります。だからこそ、今の自分に必要なケアを見極めながら、年齢に寄り添った化粧品で、肌をいたわる時間を重ねていきましょう。

50代に合ったスキンケアは?

50代の肌は、若い頃と比べて乾燥しやすく、ハリや透明感も失われがち。そのため、スキンケアは「肌の変化に合わせて見直すこと」がとても大切になります。今までと同じ手順・同じアイテムでは物足りなさを感じているなら、年齢に合ったやさしいケアへシフトするタイミングかもしれません。

基本のステップは、クレンジング → 洗顔 → 化粧水 → 美容液 → 乳液・クリーム。とくに大切なのは「落とすケア」と「与えるケア」のバランスです。クレンジングや洗顔では、必要なうるおいまで奪わないよう肌にやさしい処方を選び、こすらず丁寧に洗うことを意識しましょう。

化粧水や美容液では、保湿成分やエイジングケア成分(ヒアルロン酸・コラーゲン・レチノールなど)を意識して取り入れるのがおすすめです。乾燥が気になる部分には重ねづけするなど、部分的なケアもプラスして。

日中は紫外線対策を忘れずに。日焼け止めは肌への負担が少ないタイプを選び、外出しない日でも軽く塗ることを習慣にすると安心です。スキンケアは、未来の肌のための小さな積み重ね。無理をせず、自分の肌とやさしく向き合いながら、心地よく続けられるケアを選んでいきましょう。

クレンジング

まず見直したいのが、毎日のクレンジングです。年齢を重ねた肌は乾燥しやすく、外的刺激にも敏感になりやすいため、メイクを落とす「洗うケア」が強すぎると、それだけでバリア機能が損なわれ、かさつきやつっぱりの原因になります。

クレンジングは、しっかり落とすことと、やさしく守ることのバランスが大切。濃いメイクをすっきり落としたいときも、洗浄力が強すぎるタイプは避け、肌に必要なうるおいを残しながら落とせる処方を選ぶことがポイントです。とくにおすすめなのは、ミルクタイプやバームタイプ、クリームタイプのクレンジング。やさしくなじみ、摩擦が少なくメイクを浮かせてくれます。

クレンジングの際は、肌に強くこすりつけないように注意し、手のひらで温めてからやさしくなじませるようにしましょう。落とした後は、すぐに洗顔せずぬるま湯で丁寧にすすぐことで、肌の負担を最小限に抑えられます。クレンジングは、1日の終わりに肌と向き合う大切な時間。やさしさを意識することで、日々のスキンケアが肌にとって心地よいリセットタイムになります。

化粧水

50代の肌にとって、化粧水は“うるおいの土台”を整える大切なステップです。加齢とともに減少する水分保持力を補うためには、ただつけるだけでなく、「浸透させて、しっかり守る」意識が必要です。肌の乾燥やごわつきを感じるようになったら、まずは化粧水の見直しから始めてみましょう。

選ぶ際は、保湿力の高い成分を含んだ化粧水がおすすめです。ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲン、アミノ酸などは、年齢肌の乾きやすさをやさしくカバーしてくれる代表的な保湿成分。また、ナイアシンアミドやビタミンC誘導体が配合されたタイプは、くすみやハリ不足が気になる方にも向いています。

使う量は、想像よりもたっぷりが正解。肌がひんやりするくらいまで重ねづけすると、表面だけでなく角層まで水分が届きやすくなります。コットンを使う場合も、摩擦が起きないよう十分に含ませてから優しくパッティングしましょう。肌が乾きやすい目元や口元には、化粧水をなじませた後に再度重ねづけするのも効果的。時間をかけてていねいに水分を届けることが、次に使う美容液やクリームの浸透を高める土台になります。

保湿・クリーム

50代の肌は、うるおいを抱え込む力が低下しているため、化粧水で与えた水分をしっかり閉じ込める仕上げの保湿がとても重要になります。その役割を担うのが、乳液やクリーム。とくにクリームは、油分の膜で肌表面をやさしく包み込み、水分の蒸発を防ぎながら外的刺激から肌を守ってくれます。

保湿クリームを選ぶ際は、保水力と保護力のバランスに注目しましょう。セラミド、シアバター、スクワランなどは肌なじみがよく、乾燥や肌荒れを防ぐ成分としておすすめです。さらに、コラーゲンやレチノール、ナイアシンアミドなどが配合されたエイジングケアタイプは、ハリ不足やシワが気になる方にぴったりです。

使い方のポイントは、量をケチらないこととやさしく塗ること。手のひらで温めてから顔全体に包み込むようになじませ、特に乾燥しやすい目元・口元には重ね塗りを。ベタつきが気になるときは、少量ずつ調整してもOKです。

夜は、1日のダメージをケアする集中保湿タイムとして、少しリッチな質感のクリームを選ぶのもよいでしょう。朝は軽めでメイクの邪魔にならないタイプにするなど、使い分けも効果的です。仕上げのクリームでうるおいを閉じ込めてあげることで肌はぐっと落ち着き、ふっくらとした柔らかさを取り戻していきます。

美容液・パック

年齢を重ねるにつれて、肌の悩みが複雑になる中で、ピンポイントに働きかける美容成分を効率よく届けるためには、化粧水やクリームだけでなく、集中ケアアイテムを取り入れることが効果的です。

美容液は、成分の濃度が高く、肌悩みに合わせて選べるのが魅力。毎日使えるタイプもあれば、週に数回の集中ケア向けもあるので、ライフスタイルに合わせて選びましょう。

一方、パックは肌に密着させて成分をじっくり届けるケアとして、特に乾燥が気になる日や疲れた肌の“ごほうび”にもおすすめです。シートタイプは手軽で使いやすく、ジェルパックやクリームマスクは密着力が高いため、リッチな使い心地を求める方に向いています。

使うタイミングは、化粧水で肌を整えた後。肌がうるおいを吸収しやすい状態のときに取り入れることで、美容成分がよりなじみやすくなります。日々のケアに、美容液やパックというプラスαの習慣を取り入れることで、肌の印象がゆるやかに変化していくのを感じられるはずです。

50代におすすめの美容成分

年齢を重ねた肌には、うるおいを保つ力やハリを支える力を補ってくれる成分を意識して取り入れることが大切です。乾燥・シミ・たるみなど複合的な肌悩みに対応するには、美容成分の選び方が鍵になります。ここでは、50代の肌と相性がよく、年齢に寄り添う力を持つ注目の成分をご紹介します。

プラセンタ

プラセンタは、50代の肌にうれしい成分として注目されている美容成分のひとつです。もともとは胎盤という意味を持ち、そこから抽出されるエキスには、アミノ酸・ビタミン・ミネラル・酵素など、肌の生まれ変わりや保湿に関わる栄養が豊富に含まれています。

とくに加齢とともに衰えがちなターンオーバー(肌の生まれ変わり)をサポートする働きが期待されており、「肌にハリが出た」「くすみが気にならなくなった」と感じる人も少なくありません。乾燥による小じわや、疲れた印象を明るく見せたいときにも頼れる成分です。

プラセンタには主に動物由来(豚・馬)のものと、植物性・海洋性のものがあります。安全性に配慮され、国内製造で管理されている製品も増えており、肌につけるスキンケアだけでなく、サプリメントとして体の内側から取り入れる方法も広まっています。

選ぶ際には、原料の種類や抽出方法、他の成分とのバランスに注目しましょう。肌への刺激が少なく、続けやすいテクスチャーのものを選ぶことで、習慣化しやすくなります。エイジングケアを意識し始めた50代の肌に、やさしく働きかける成分として、プラセンタはぜひ一度取り入れてみたい選択肢です。

L-システイン

L-システインは、シミやくすみが気になり始めた方にうれしい美容成分です。体内にもともと存在するアミノ酸の一種で、肌の代謝をサポートしたり、メラニンの生成を抑制したりする働きがあるとされており、美白系のサプリメントや医薬品によく配合されています。

加齢とともにターンオーバーが乱れやすくなる50代では、古い角質が肌表面に残り、透明感が失われやすくなります。L-システインは、こうした肌の代謝サイクルを整え、メラニンの排出をスムーズにすることで、くすみがちな肌を明るい印象へと導いてくれる成分です。

紫外線によるダメージが蓄積されやすいこの年代では、メラニンの生成が活発になりがちです。L-システインは、ビタミンCなどと一緒に摂取することで、より高いサポート力を発揮するとされています。肌だけでなく、髪や爪の健康を助ける面でも注目されています。

スキンケアとして肌に塗るよりも、内側からの摂取(サプリメントや医薬品)で活用されることが多く、継続的に取り入れることで徐々に効果を実感しやすいのが特徴です。肌の明るさを取り戻したい、年齢によるくすみをなんとかしたいという方にとって、L-システインは心強い成分のひとつといえるでしょう。

ビタミンC

ビタミンCは、エイジングケアに欠かせない代表的な美容成分のひとつです。抗酸化作用が高く、紫外線やストレス、加齢によって増える活性酸素を抑える働きがあるため、年齢肌のトラブル全般に幅広くアプローチしてくれます。50代の肌には、日々のダメージをやさしく整える力として、ぜひ取り入れたい成分です。

特に注目したいのが、メラニンの生成を抑制する働き。シミ・そばかすを予防し、くすみの改善にもつながるため、明るく透明感のある印象を目指すスキンケアに最適です。さらに、コラーゲンの生成を助ける作用もあり、肌のハリや弾力をサポートする成分としても知られています。

ビタミンCには水溶性で不安定という性質がありますが、最近では安定性を高めた「ビタミンC誘導体」も多くのスキンケア製品に使われています。美容液や化粧水などで毎日コツコツ取り入れることで、肌にやさしく働きかけ、トーンアップや毛穴の引き締めにも効果的です。

体の内側からのケアとして、ビタミンCを含むサプリメントや食事も並行して意識すると、より安定した肌づくりにつながります。併せて果物や野菜を意識して摂ると、美容と健康の両方にうれしい効果を感じやすくなるでしょう。

NMN

NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)は、近年注目されているエイジングケア成分のひとつです。もともとは体内で自然に作られる成分で、細胞のエネルギー代謝や老化のメカニズムに深く関わる「NAD+」という物質の前駆体として知られています。年齢とともに減少するこのNAD+の量をサポートするため、NMNの補給が“年齢に負けない体と肌”づくりにつながるとして、話題を集めています。

50代になると、細胞の生まれ変わりや代謝がゆるやかになり、肌のハリや明るさが失われやすくなります。NMNはこの代謝に関わる仕組みにアプローチすることで、肌本来の力をやさしく引き出すサポートが期待されています。

NMNはスキンケアとして肌に塗る製品もありますが、サプリメントとして体の内側から補うスタイルが主流です。継続することで、肌だけでなく活力や集中力の維持にもつながるという声も多く、年齢を問わず取り入れやすい成分といえるでしょう。

ただし、NMNはあくまで「年齢に応じたケア」の一環としての位置づけであり、無理なく続けることが大切です。今の自分のライフスタイルや体調と相談しながら、興味がある方は一度試してみてもよいかもしれません。

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コラーゲン

コラーゲンは、肌の弾力やハリを保つために欠かせない成分です。真皮と呼ばれる肌の深い層に多く存在し、肌を内側から支える“土台”のような役割を果たしています。年齢を重ねるごとにこのコラーゲンは減少し、特に50代では、シワ・たるみ・ハリ不足といった悩みの原因のひとつになります。

コラーゲンの量が減ることで、肌は重力に負けやすくなり、輪郭がぼやけたり、目元や口元の印象が変わったりします。そこで、スキンケアやサプリメントでコラーゲンを補うことが、年齢肌の対策として注目されています。

化粧品では、加水分解コラーゲンなどの浸透型タイプが人気です。肌表面にうるおいを与え、なめらかな肌触りをサポートしてくれます。サプリメントでは、低分子コラーゲンコラーゲンペプチドなど、吸収されやすい形に加工されたタイプが主流です。

ビタミンCと一緒に摂ることで、体内でのコラーゲン生成をサポートできるとされています。食品では、魚の皮、鶏手羽、豚足などにも豊富に含まれているため、食事でも意識的に取り入れるとよいでしょう。肌のハリや弾力をもう一度感じたい方にとって、コラーゲンは頼もしい味方になってくれます。

まとめ

50代の肌は、乾燥・シワ・シミ・たるみといった複合的な悩みが増えやすく、これまでのスキンケアでは物足りなさを感じる時期です。でも、肌の変化を前向きに受け止め、今の自分に合ったケアを選ぶことで、美しさは確実に育てていくことができます。

大切なのは、保湿・紫外線対策・表情筋ケアなど、日々の習慣の見直し。さらに、年齢肌を支えてくれる美容成分を意識して取り入れることで、肌の手応えも少しずつ変わってきます。「年齢だから仕方ない」とあきらめず、自分の肌とやさしく向き合うこと。それこそが、50代からのスキンケアで一番大切なことなのかもしれません。

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